2022年1月16日(日)に開催された「カードファイト!! ヴァンガード overDress」の大型ファイトイベント「10周年記念 ヴァンガード WGP 福岡会場」!
2021年12月24日(金)に発売されたブースターパック第4弾『覚醒する天輪』から3週間、デッキの研究も進んだスタンダード環境で、九州を中心とした各地の強豪が腕を競った。
発売直後の東京会場と比べると、新たに登場した“G4”ユニットを軸にしたデッキ構築やプレイングは洗練されており、攻め込むタイミングや「相手のデッキ切れ」を狙う持久戦に舵を切るプレイなど、環境は一段階上に進んだことが見て取れた。
そんな中、激戦を勝ち抜いて決勝戦のテーブルに着いたのは、《ディアブロス “絶勝”ブルース》軸を使う「aichi」選手と、《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》軸を使う「りみ」選手。
現環境での人気デッキが対峙した、決勝戦の模様をお届けしよう。
福岡会場の決勝戦は、人気の“G4”軸のデッキがぶつかり合うこととなった。 |
福岡会場 決勝戦レポート
「ヴァンガード」の新たなレギュレーションであるスタンダードのルールには、いわゆるライド事故を防止する「ライドデッキ」が存在する。ファイターはG0からG3のカードをメインデッキとは別に用意し、毎ターンその中からライドできるようになった。
そのため、お互いほぼ確実に、切り札のG3までスムーズにライドを進めることができるのだ。
先攻の「aichi」選手は、ファーストヴァンガードこそ《デザイアデビル タイーダ》を選択したが、そこから先は《ブルース》軸の「ディアブロス」たちがライドライン。
後攻の「りみ」選手は、G2まではオーダーカードを参照する《怪雨の降霊術師 ゾルガ》軸のライドラインを採用し、G3が《マグノリア》という構成。序盤にオーダーを引ければ、手札を増やすことができる。
「りみ」選手のライドライン。手札にオーダーを引いていれば、差し引きで2枚の手札を増やせる。 |
先に攻勢に出たのは「りみ」選手。
序盤にしっかりオーダーを引いて手札を増やすと、2ターン目に前列ユニットを3体並べる。
ドロートリガーの強化も相まって、このターン3ダメージを与えていく。
「aichi」選手の《ブルース》軸は爆発力のあるデッキだが、動き出しは4ターン目以降。その前に決着を狙う考えだろう。
しかし「aichi」選手はヒールトリガーを引いており、このターンはダメージ3対1。
じっくり構える「aichi」選手は、3ターン目に《ブルース》にライドすると「りみ」選手のリアガードにアタック。
次のターンのために手札を温存し、ターンを終了した。
その後《マグノリア》にライドした「りみ」選手、再びリアガードを展開しアタック!
ヒールトリガーとフロントトリガーで強化したものの、「aichi」選手のダメージチェックはまたもヒール!
このターンは1ダメージしか与えることができず、ターンエンド。
「aichi」選手の先攻4ターン目。“一気呵勢”状態になると、『覚醒する天輪』の最新“G4”切り札《ディアブロス “絶勝”ブルース》にライド!温存した手札から一気に味方を展開する。
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前列には2体の《ブレインウォッシュ・スワラー》を展開し、さらに《ディアブロスストライカー ライル》でソウルから《監視するギアドーベル》をコール。
そして《パンデモニウム・タクティクス》で一気にソウルを増やしつつ前列を強化、文句のつけようのない《ブルース》軸の必勝パターンを構えていた「aichi」選手。
これで《“絶勝”ブルース》はパワー23000のクリティカル2、《ブレインウォッシュ・スワラー》のパワーは58000と53000に強化された。
「aichi」選手はソウルチャージの連打で《ブレインウォッシュ・スワラー》のパワーを大幅に強化。さらにソウルは12枚以上なので《パンデモニウム・タクティクス》の威力も絶大だ。 |
ダメージは1の「りみ」選手だが、油断するとここで一気に6ダメージまで押し込まれるのが《“絶勝”ブルース》軸の恐ろしいところ。
《パンデモニウム・タクティクス》でクリティカルが2になった《“絶勝”ブルース》の2度のアタックはしっかり防ぎつつ、リアガード2体の合計4度のアタックはノーガード。
手札を4枚とリアガードのインターセプト1体を消費、ダメージ5で踏みとどまって、この猛攻を耐えきった。
後攻4ターン目、ここで“G4”《樹角獣帝 マグノリア・エルダー》にライドして反撃したいところだが、ドローできなかった「りみ」選手。序盤の積極的なアタックも、手札の状況からこのターンの失速を予測してのことだろう。
それでも《逆流する冥府》で《樹角獣 ギュノスラ》をコールし、戦線を整えて5連続アタックを狙う。
「aichi」選手のダメージは4、ここで決めきれるか……?
「りみ」選手が序盤から持っていたオーダー。相手のユニットを除去できる点が優秀! |
《樹角獣王 マグノリア》のドライブチェックでクリティカルとヒールをめくり、「aichi」選手にプレッシャーを与えていく。
しかしクリティカルを強化した《ギュノスラ》は手札2枚でガード。
このターンで決めるのは無理と判断した「りみ」選手は、前列の《ブレインウォッシュ・スワラー》をアタックし、1体を退却させてターンエンドを宣言した。ダメージは4対4で、再び《ブルース》のターン。
先攻5ターン目。ソウルと手札は十分、カウンターブラストもある。
山札の残りは10枚と少ないものの、ダメ押しには十分な態勢で迎えた「aichi」選手は、追加の《ブレインウォッシュ・スワラー》に、前列には2体の《ディアブロスストライカー ブライアン》をコール。
2体の《ブライアン》で前列を強化、さらに《“絶勝”ブルース》のクリティカルは3に強化!
クリティカルを上げる優秀なG3。やや重いコストも《パンデモニウム・タクティクス》でフォローできる。 |
リアガードの《ブライアン》から《マグノリア》へのアタックに対しノーガード宣言をした「りみ」選手。
絶体絶命の5枚目のダメージは……なんと《天恵の源竜王 ブレスファボール》!
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ヴァンガードのパワーを+1億し、九死に一生を得た「りみ」選手。
対する「aichi」選手のオーバートリガーは序盤にソウルに入っており、このターンにドライブチェックでめくれることはない。
やむなく、リアガードをアタックしてターン終了となった。
後攻5ターン目。「りみ」選手は1ターン遅れて“G4”《マグノリア・エルダー》にライドすると、リアガードを展開していく。
ついに降臨した切り札!味方リアガード全体を強化する。 |
味方全体が強化され、6回アタックを狙える「りみ」選手。
「aichi」選手はダメージ5に追い込まれながらも《マグノリア・エルダー》のアタックはガードした。だが、さらに味方を強化する《ギュノスラ》が控えている状況で、「aichi」選手はノーガードを宣言した。
6枚目のダメージは……《ディアブロスジェッター ウェイド》。
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逆転に次ぐ逆転の末、ついに「りみ」選手の優勝が決まった!
(文=神田秀人)