10周年記念 ヴァンガード WGP 全国大会 スタンダード 決勝戦レポート

10周年記念 ヴァンガード WGP 全国大会 スタンダード 決勝戦レポート

2022年4月29日(土)、ついにこの日がやってきた。
昨年12月の東京会場から、全国10会場で開催された地区大会を勝ち抜いた強豪たちが集結!
東京ビッグサイトを舞台に、スタンダード日本一の座を目指して火花を散らした。

出場選手は13人。
使用デッキは《バスティオン》3名、《ニルヴァーナ》《ブルース》《マグノリア》《ネルトリンガー》がそれぞれ2名、《バロウマグネス》『SHAMAN KING』がそれぞれ1名。地区大会に続き、全国大会の会場でも群雄割拠の様相を見せた。

いずれも腕に覚えのあるファイター同士の激戦を勝ち抜いて準決勝に残った4デッキは、一番人気の《バスティオン》、そして《マグノリア》と、2名の《ネルトリンガー》!
そして、日本一を賭けた決勝戦に勝ち進んだのは、《ネルトリンガー》を使う2名だった!

〈世界〉を併用した《ネルトリンガー》を使う「アルパカ」選手と、いわば“純正”の《ネルトリンガー》を使う「ぱんぱーす」選手。同じ切り札を使うデッキながら、それぞれのデッキ構築やプレイングは異なるデッキの顔合わせとなった。

実はこの両者、対戦するのは決勝戦が初めてではない。予選ラウンドの最終戦、お互いに全勝で勝ち進んだ上位卓で一度対戦しているのだ。
予選ラウンド最終戦のファイトは“山札切れ”で決着したのだが、そこに至るまでは濃密なものだった。
ダメージ2対1の序盤で《ネルトリンガー》の〈隕石〉5枚落としで攻め込んだ「ぱんぱーす」選手。
しかしここでヒールトリガーがめくれ、「ぱんぱーす」選手のダメージが0になったのを見た「アルパカ」選手は、完全に守りに徹し始めた。この序盤で、山札切れの作戦に切り替えたのだ。
《ネルトリンガー》軸同士で山札切れを狙う場合、怖いのは《グラビディア・シャーゴ》の存在だ。

山札切れを誘ったはずが、寸前で山札を大量に回復されて逆転は、大いにあり得る。
だが、結果的には山札切れを狙う作戦が功を奏して「アルパカ」選手が勝利し、全勝で決勝戦へ駒を進めた。
「ぱんぱーす」選手は、生命線であるカウンターブラストを残しながらファイトを進めていたが、思わぬところでカウンターブラストを失ってしまう形となった。ヒールトリガーが出なければ、ファイトの流れは大きく変わっていたことだろう。

そして、決勝戦で再び対峙した両者。
2本先取の初戦、後攻の「ぱんぱーす」選手はG1の《グラビディア・ウェルズ》でアタックせずにターンを終了。
今度は「ぱんぱーす」選手から、山札切れを狙ってきた。「アルパカ」選手は《柩機の兵 ルーチス》で〈世界〉カードを手札に加えているので、山札が1枚少ないのだ。

《ウェルズ》で〈隕石〉を手札に加えず、ドライブチェックも行わなかった「ぱんぱーす」選手。山札1枚差で勝ちに行く作戦だ。

だが「アルパカ」選手のデッキには《グラビディア・シャーゴ》が採用されていた。
「ぱんぱーす」選手のデッキには《シャーゴ》がないことを先のファイトで確信していた「アルパカ」選手は、ライドコストで捨てていた〈隕石〉を山札切れ直前に山札に戻し、1本目を制した。

決勝戦2戦目。後が無くなった「ぱんぱーす」選手は、果敢に攻め込んでいく。
2ターン目にクリティカルトリガーをめくって「アルパカ」選手に2ダメージを与え、ファイトはここからお互いにダメージを狙って攻撃し合う展開となる。
4ターン目には、ペルソナライドから《フォーリング・ヘルハザード》を絡めた〈隕石〉5枚落としを決める「ぱんぱーす」選手。
クリティカルトリガーを2倍にし、リアガードの《グラビディア・バクビリート》《黒暗の騎士 オブスクデイト》で攻め込む!

いずれもパワーが魅力のG3アタッカー。《オブスクデイト》は、オーダーゾーンにカードが増える〈隕石〉とも相性良好だ。

ダメージを4対3とし、「ぱんぱーす」選手のターンは終了。

「アルパカ」選手の先攻5ターン目。
こちらもペルソナライドすると《バクビリート》と手札から《ヘルハザード》2枚を置いて、さらに《グラビディア・バリンジャー》で手札を補充していく。

ソウル3枚を手札に変換。〈隕石〉の落とし合い、リアガードの除去し合いが予想されるこの一戦、1枚のドローが勝敗を分けるかもしれない。

こちらも〈隕石〉5枚落としで「ぱんぱーす」選手のアタッカーを排除すると、ドロートリガーを2倍にしてダメージを詰めていく!
「ぱんぱーす」選手は5点目のダメージでヒールトリガーを引き当て、ダメージは4対4でターン終了。

「ぱんぱーす」選手の後攻5ターン目。
再びペルソナライドを決めて《ヘルハザード》2枚を補充すると、前列に《オブスクデイト》《グラビディア・スタンネル》を展開し、再び〈隕石〉5枚落とし!今度はドロートリガーで、リアガードを強化して攻め込んでいく。
だが「アルパカ」選手は温存していた完全ガードと、ダメージチェックのヒールトリガーでダメージを回避。ダメージは4対4のまま、ターン終了。

「アルパカ」選手の先攻6ターン目。
《バクビリート》を前列に2体展開し、ドロップゾーンから《ニートネス・メテオシャワー》と、ヒールトリガーでドロップに置いた《ヘルハザード》を戻し、このターンは〈隕石〉3枚落としでアタック!
だが「ぱんぱーす」選手も、完全ガードをしっかり抱えている。リアガードのアタックも、シールド10000に強化された《スタンネル》でしっかりガード。
ダメージは4対4のまま、お互いのリソースの削り合いが続く。

攻守ともに強力なユニットだが、除去が吹き荒れるこのファイトではインターセプトの機会がない。アタッカーにするか、ガーディアンにするか、両者ともに悩むところだ。

「ぱんぱーす」選手の後攻6ターン目。
さすがに薄くなった山札を確認すると、残りは5枚。我慢比べのような削り合いで手札も少ないが、残された時間はさらに少ないようだ。
《バクビリート》をリアガードにコールすると、〈隕石〉1枚落としで「アルパカ」選手の《スタンネル》を除去してアタック!
「アルパカ」選手は手札2枚で「2枚貫通」のガードを宣言!

ツインドライブ1枚目……ドロートリガー!1枚引き、パワーはヴァンガードへ!

セカンドチェック、ここでクリティカルトリガーが出れば押し切れる!
めくったカードは……ドロートリガー!

「アルパカ」選手にダメージ1点は通ったが、「ぱんぱーす」選手は山札を4枚手札に加えたため、残る山札は1枚。
《バクビリート》の最後のアタックをガードした「アルパカ」選手は、ターンが回ってくるとそのまま終了を宣言。

「ぱんぱーす」選手の山札、最後の1枚はクリティカルトリガーの《極光戦姫 ルールス・イエロー》だった……!

まさに死闘とも呼べるファイトの末、3度目の全国決勝で「アルパカ」選手が悲願の優勝を手にした!

(文=神田秀人)

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