「10周年記念 ヴァンガード WGP 地区大会」金沢会場優勝の「さえ」選手に、使用デッキや決勝トーナメントの感想などのインタビューを行った。

金沢会場優勝：「さえ」選手

――優勝おめでとうございます！まず、今のお気持ちをお聞かせください。

さえ選手（以下、さえ）

今日は本選からの参加だったんですが、優勝どころか、決勝ラウンドに進出できるとも思っていなかったので、驚いています。
他の選手に比べて、自分は練習ができていない方だと思っていたので……。

――今日は《ブルース》のデッキを使われていましたが、どのような理由でデッキを選びましたか？

さえ

そうですね……環境的には、高パワーで連続攻撃ができるデッキが圧力をかけられて強いと思っていて、最初は、今流行ってもいる《カイリ》のデッキを使おうと思いました。ただ、実際に使ってみると慣れている方との練度の差が出るかなと思ったんです。なので、《カイリ》よりも使い慣れている《ブルース》を選びました。
《ブルース》は発売当時から使っているデッキだったのと、序盤は戦力を温存して、終盤に溜めたカードで一気に攻める戦略が、自分のスタイルに合っているとも思ったので。

――今の環境で、警戒しているデッキはありますか？

さえ

《マグノリア》と、あとは《極光戦姫》ですね。この2つとは、対戦経験が全然なくて。準決勝は《極光戦姫》との対戦だったんですが、当たった時は「どうしよう……」という気持ちでした。幸い、先攻を取れて先にG4にライドできたので、4ターン目に一気に攻め込んで押し切りました。準決勝はトリガーにも恵まれましたね。

――決勝戦は《バスティオン》との対戦でしたが、いかがでしたか？

さえ

《バスティオン》は終盤に一気に攻めてくるデッキなので、序盤は守れるうちに守ろうと考えていました。《ブルース》も、《バスティオン》ほどではないにしてもG3が多めで守りが薄いので、G4のパワーが大きい時にはノーガードができるようにと思って立ち回りました。
序盤にダメージを受けなくても《ブルース》は終盤にしかカウンターブラストを使いませんし、《バスティオン》もヴァンガードを狙って攻撃してくるデッキなので、終盤に合わせてダメージコントロールができればいいかなと。

――なるほど！では、その作戦がうまくいった結果の優勝とも言えそうですね。

さえ

先攻4ターン目に、ダメージチェックでオーバートリガーをめくられた時は迷いましたけど……あの時は手札に《パンデモニウム・タクティクス》があったので、ソウルを温存して次のターンに一気に攻めようと切り替えたのも、うまくいきましたね。

――確かに、あのシーンはリアガードをアタックするために《“絶勝”ブルース》の能力を使う選択肢もあったかと思いますが。

さえ

あの時は相手の手札に後続のアタッカーがいることは、直前のドライブチェックで見えていたので。リアガードをアタックしても効果が薄いなら、ソウルを温存して《パンデモニウム・タクティクス》を狙った方がいいと判断しました。
最後のターンは、ダメージトリガーも2回めくられて、そのターンで押し切れるかは心配でしたが。

――最後は、積極的にヴァンガードを狙ったのが功を奏しましたね。

さえ

もしガードされた時には、次の作戦はありました。
山札の残りも気にしていたんですけど、次のターンにも《“絶勝”ブルース》の能力は使えそうだったので、攻めきれなければ次のターンにもう一度とは思っていましたね。
幸い、手札には完全ガードも複数あったので、《バスティオン》の攻めは防げるかなと。

――見事な作戦勝ち、というところですね！では、今日を通してのMVPカードを教えてください。

さえ

4枚採用した《ブレインウォッシュ・スワラー》ですね。
ソウルチャージ1回あたりのパワー上昇が大きいので、終盤《パンデモニウム・タクティクス》と組み合わせて攻撃力を一気に高められるのが良かったです。《ブルース》でスタンドした時には、特に強力です。
今日の対戦では、どのデッキ相手にも役立ってくれました。

――最後に、全国大会に向けた意気込みをお願いします。

さえ

自分は全国大会への出場が2回目なんですが、前回はＰスタンダードの大会で4位に終わってしまったので、今回はもっと上を目指したいと思います。

――なるほど、ではズバリ狙うなら？

さえ

優勝です！

――ありがとうございます。全国大会も、優勝目指して頑張ってください！今日はおめでとうございました！

さえ

ありがとうございます。

地区大会が進むにつれてメタゲームが変化していった『覚醒する天輪』と『リリカルモナステリオ ～新学期はじまるよ！～』の環境は、“加賀之国”金沢会場で《ブルース》デッキの優勝という結末となった。
次回の地区大会からは、ブースターパック第5弾『群雄凱旋(ぐんゆうがいせん)』を加えた新たなファイト環境となる。まずは4月2日（土）・3日（日）の大阪会場、そして地区大会を締めくくる4月9日(土)の岡山会場と続いていく。
デッキ構築やプレイングが練りこまれたデッキが力を見せつけるのか？それとも、新たなデッキが登場するのか？残る2会場も、ファイターたちの激戦に注目したい！

（文＝神田秀人）