10周年記念 ヴァンガード WGP 大阪会場 地区大会 決勝戦レポート

10周年記念 ヴァンガード WGP 大阪会場 地区大会 決勝戦レポート

最新ブースターパック第5弾『群雄凱旋』の発売直後の2022年4月3日(日)、「カードファイト!! ヴァンガード overDress」の大型ファイトイベント「10周年記念 ヴァンガード WGP 大阪会場」が開催された。
既存デッキタイプの強化に加えて、新たに8つのデッキタイプが参戦した『群雄凱旋』以降の環境。大阪会場の時点では発売直後ながら、新たなデッキタイプの可能性を感じさせた。
予選では《バスティオン》《マグノリア》《極光戦姫》などの既存の人気デッキに混じって、《ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド》や《タマユラ》などの新デッキを使用するファイターも見受けられ、今回は決勝進出こそ逃したものの、勝ち抜けるポテンシャルは十分にあったのではないだろうか。

大阪会場では、AとBの2ブロックに分けて大会が進行した。
両ブロック共に《バスティオン》が2名ずつ決勝ラウンドへ進出したが、《バスティオン》同士の決勝戦となったAブロック、《ブルース》vs《カイリ》となったBブロックと、対照的なマッチアップとなった。

Aブロックは「リーダー」選手と「ウィザード」選手の《バスティオン》対決。

その名の通り“頂”を決する勝負を制したのは、《並び立て、選ばれし騎士達よ》を4枚投入という個性的な構築の「リーダー」選手!

Bブロックは《ブルース》デッキを使う「桃」選手と、《カイリ》デッキを使う「くじら」選手の決勝戦。
どちらのデッキも“G4”からの連続アタックが強力なデッキ同士。

今回は、Bブロックの対戦をレポートでお届けしよう。

大阪会場Bブロック決勝戦レポート

「ヴァンガード」の新たなレギュレーションであるスタンダードのルールには、いわゆるライド事故を防止する「ライドデッキ」が存在する。ファイターはG0からG3のカードをメインデッキとは別に用意し、毎ターンその中からライドできるようになった。
先攻の「桃」選手のファーストヴァンガードは最新ブースター収録の《慈悲深き者 ケイオス》だが、内容は《ブルース》デッキ。
後攻の「くじら」選手は、リアガードに“フレンド”ギミックを搭載した《カイリ》デッキだ。

序盤からリアガードを展開して攻め込む「くじら」選手。
だが「桃」選手も《ディアブロスボーイズ イーデン》を展開すると、能力で「くじら」選手の《食べ過ぎ注意! アイリーン》を退却させる。
両者ともに積極的なアタックを仕掛けるものの、ダメージトリガーやヒールトリガーもあり、ダメージは1対1で3ターン目を迎えた。

「くじら」選手が《アイリーン》で山札を確認しながらアタックすると、「桃」選手は《イーデン》で反撃。序盤から一進一退の攻防が繰り広げられる。

先攻3ターン目、「桃」選手は《ディアブロス “暴虐”ブルース》にライド。
展開していたリアガードは、先のターンに「くじら」選手のアタックで退却させられているが、ここはリアガードを展開せず、《ブルース》単騎のままヴァンガードにアタックを宣言。

“一気呵勢”になる前の3ターン目は、まだ力を溜めておくターン。「桃」選手は手札消費を抑えてアタックを選択した。

ここでくじら選手は悩む表情を見せて、少し考える。
《ブルース》は4ターン目以降に強力な連続アタックが可能なデッキだ。ここでガードしておけば、手札消費は少なくて済む可能性が高い。
しかし「くじら」選手は先のターンにカウンターブラストを使った状況。あえてダメージを受け、次のターンにつなげるのも選択肢としてはあり得る。

手札の状況も考慮し、悩んだ末に「くじら」選手はノーガードを選択。
ツインドライブで「桃」選手はクリティカルトリガーをゲット!2ダメージを与え、「くじら」選手のダメージは3となった。
しかし「くじら」選手はダメージを受けるも、ダメージチェックでドロートリガーをゲット!手札を増やし、ダメージ1対3でこのターンは終了。

後攻3ターン目。「くじら」選手は《Astesice カイリ》にライド。
前のターンにコールした《風の中の音 デュケイラ》の前に《Hoppin’Stellar メルティ》をコールし、《メルティ》の能力で《やる気充分! アルレット》をコール。

“フレンド”のギミックを活用するデッキ構成の「くじら」選手。受けた2ダメージを活用してアタッカーを揃えていく。

《メルティ》と《デュケイラ》の能力で、手札を増やしながら盤面を展開する「くじら」選手。
まずは《アルレット》単騎でアタック。「桃」選手はノーガードでダメージを受けるが、ここでダメージチェックはフロントトリガー!《ブルース》の防御力が上がる。

攻撃を仕掛ける「くじら」選手の思惑を阻む、ダメージトリガー!パワーは23000に上昇。

《メルティ》と《デュケイラ》のラインのパワーが届かなくなった「くじら」選手は、《カイリ》の能力で《アルレット》と《メルティ》を手札に戻しながら《真剣な眼差し イヴェッタ》でブーストしてアタック!《イヴェッタ》の能力で、パワー合計は23000だ。

ヴァンガードの後列は《イヴェッタ》の特等席。トリガーを乗り越える10000ブーストになる!

「桃」選手は、ここもノーガード。ドライブチェックでトリガーは出ず、ダメージは3対3でターン終了。

先攻4ターン目。「桃」選手は“一気呵勢”状態になるが、G4《ディアブロス “絶勝”ブルース》が手札になく、ライドできない!
それでも「桃」選手のデッキには、攻め手が他にも存在する。《ディアブロスリターナー デーリック》だ。

ソウルによって除去枚数が、相手の空いているRサークルの数によってコール枚数が変化する、やや癖のあるアタッカー。その分、ハマった時は強力!

コールし、能力を使う。「くじら」選手の《デュケイラ》を退却させ、これで空いているRサークルは4つ。山札を4枚見て《イーデン》《リキューザルヘイト・ドラゴン》《ステムディヴィエイト・ドラゴン》をコールした。
《カイリ》の能力でRサークルが空いていたのが追い風となり、手札1枚とカウンターブラスト1枚で、アタッカー1体とブースト2体を展開できた「桃」選手。さらに1枚退却までできれば、上々の戦果だろう。

コールする内容も不安定な《デーリック》だが、今回はブースト役もしっかり展開。

さらに手札から《高層の曲芸師 マージョリー》を前列に、《ディアブロスストライカー ブライアン》を後列にコールして盤面を埋め尽くすと、《パンデモニウム・タクティクス》!
ソウルが合計10枚になり、前列の《イーデン》《ブルース》《マージョリー》が強化される。
そして《ブライアン》の能力で前列をさらに強化し、《ブルース》のクリティカルを上昇。これで準備万端だ。

一気にパワーとクリティカルを上昇!《マージョリー》は、質より量重視の《デーリック》のコールとも相性がいい。

まずは《イーデン》のアタック。《ステムディヴィエイト》でブーストし、合計パワーは34000!
「くじら」選手はノーガードで、ダメージ3対4。
続いて《マージョリー》のアタック。ブーストはないが、自身の能力で《ステムディヴィエイト》をソウルに置き、パワーは38000!
30000シールド要求に、「くじら」選手は手札のトリガー2枚でガード。
そして《ブルース》のアタック。《リキューザルヘイト》のブーストで、合計パワーは34000、クリティカル2!
このアタックは通せない「くじら」選手、オーバートリガーのシールド50000を出してガード。ドライブチェックはトリガーなしで、ガード成功。

だが、「桃」選手のアタックはここで終わらない。“一気呵勢”の《ブルース》で、前列のリアガードをスタンドしているのだ。
パワー30000、クリティカル2になった《イーデン》の追撃!
ここも通せない「くじら」選手、手札2枚でガード。
パワー38000の《マージョリー》の追撃はノーガードし、ダメージは3対5となった。

盤面と手札を削られてしまったが、何とか体制を整えて反撃したい「くじら」選手の後攻4ターン目。
順調に《Astesice×Live カイリ》にライドすると、まずは《メルティ》をコールし、能力で《イヴェッタ》をコール、1枚引く。さらに手札から《チェシャースマイル ラリサ》をコール!

連続アタックで反撃を狙う「くじら」選手!

《メルティ》で、ここはアタッカーの《イーデン》にアタックし、《イーデン》を退却。
G4《カイリ》の能力と自身の能力で、パワーが21000に上がった《ラリサ》でのアタック、ここは「桃」選手、手札1枚でガード。
G4《カイリ》のアタック、「桃」選手はノーガード。トリプルドライブは……トリガーなし。ダメージ4対5。
「くじら」選手は前列の2体を手札に戻し、手札から《アルレット》《ラリサ》をコール。
コールした《アルレット》《ラリサ》で、今度はリアガードの《マージョリー》をアタックするが、ことごとくガードされてしまい、ターン終了。

「桃」選手の先攻5ターン目。このターンもライドはできなかったが、手札から《イーデン》をコールすると、再び《パンデモニウム・タクティクス》!ソウルが9枚になり、前列を強化。
《イーデン》の後ろには《ディアブロスマドンナ レジーナ》をコールし、再び《ブライアン》の能力を発動。このターンも、高パワーのラッシュが続く!

《レジーナ》でブーストした《イーデン》の、合計パワー38000のアタック!
「くじら」選手は手札とトリガーをじっくり確認した後、ノーガードを宣言。

ここで必要なのは、ヒールトリガーだ。ダメージ5で生き残って、《カイリ》の防御力を上げればチャンスがある……!
6枚目のダメージチェックは……

《Hoppin’Stellar メルティ》、トリガーなし。

“G4”なしでも圧倒的な展開とパワーを実現してみせた「桃」選手が、その爆発力で優勝を決めた!

(文=神田秀人)

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