10周年記念 ヴァンガード WGP 東京会場 地区大会 決勝戦レポート

10周年記念 ヴァンガード WGP 東京会場 地区大会 決勝戦レポート

2021年12月25日(土)・26日(日)に開催された「カードファイト!! ヴァンガード overDress」の大型イベント「10周年記念 ヴァンガード WGP」!
26日(日)には、強豪たちが全国大会への切符をかけて戦う「10周年記念 ヴァンガード WGP 地区大会 東京会場」が開催された。今回は24日(金)に発売されたばかりのブースターパック第4弾『覚醒する天輪』の初陣となった大会の、決勝戦の模様をお届けする。

東京会場からは3人の代表選手が選出される。本選に出場した選手はA・B・Cの3ブロックに分けられ、それぞれのブロックで優勝を目指す形式だ。

Aブロックの決勝戦は《グラビディア・ネルトリンガー》軸を使う「ぱんぱーす」選手と、《重力の支配者 バロウマグネス》軸を使う「ジャグラスジャグラー」選手。
いずれも『覚醒する天輪』で注目されている“G4”ユニットを使わないタイプのデッキを選択した、いわば「ダークホース」同士がぶつかり合う対戦だ。

Bブロックの決勝戦は《天輪聖竜 ニルヴァーナ》軸を使う「タクト」選手と、《ディアブロス “暴虐”ブルース》軸を使う「びんびん丸」選手。
こちらはAブロックとは逆に、いずれも“G4”ユニットを採用した「本命」同士が相まみえる対戦となった。

そしてCブロックは《ディアブロス “暴虐”ブルース》軸の「えな」選手と、《ファントム・ブラスター・ドラゴン》軸の「羽戸」選手の対戦。
注目の“G4”採用型で勝ち上がってきた「えな」選手と、 “G4”を使わないデッキで“G4”採用型デッキを倒してきた「羽戸」選手とのファイトだ。
今回は、対称的とも言えるデッキがぶつかったCブロックの対戦レポートをお届けしよう。

東京会場Cブロック決勝レポート

「ヴァンガード」の新たなレギュレーションであるスタンダードのルールには、いわゆるライド事故を防止する「ライドデッキ」が存在する。ファイターはG0からG3のカードをメインデッキとは別に用意し、毎ターンその中からライドできるようになった。
そのため、お互いほぼ確実に、切り札のG3までスムーズにライドを進めることができるのだ。

ファイトが大きく動いたのは後攻2ターン目。
お互いに1ダメージの状況で、《ブラスター》軸の羽戸選手はライドデッキから《ブラスター・ダーク》にライド。G1の《ブラスター・ジャベリン》の能力でコールした味方を《ブラスター・ダーク》のコストにして、ドライブチェックを増やす。
さらに、それぞれパワーが上がった状態の《ブラスター・ダーク》と《ブラスター・ジャベリン》2体を手札からコールし、速攻で3回アタックを仕掛ける構え。

《ブラスター》軸のライドライン。お互いのV能力が噛み合っており、さらにRでは高パワーを発揮する優秀なユニットたちだ。

しかし、1回目のアタックでえな選手のダメージチェックはヒールトリガー!
ヴァンガードの《ブラスター・ダーク》のドライブチェックはトリガーを引けず、このターン、えな選手は1ダメージで乗り切る。ダメージは、えな選手2vs羽戸選手1となった。

先攻3ターン目、えな選手は切り札G3《ディアブロス “暴虐”ブルース》にライドし、味方をコールせずにアタック。

《ブルース》軸は、SNSなどでも有力と評されるデッキのひとつ。カードがそろえば、4ターン目以降に凄まじい爆発力を発揮する。

《ブルース》は、ライドした次のターンから“一気呵勢”状態となり真価を発揮するタイプのデッキ。しかも相手の《ブラスター》軸は、除去能力が強力なデッキだ。
少し考えたあと、えな選手はリアガードの《ブラスター・ダーク》にアタックし、相手にダメージを与えずターンエンド。カウンターブラストを与えず、次のターンの爆発力にかける構えだ。

後攻3ターン目、羽戸選手は切り札の《ファントム・ブラスター・ドラゴン》にライド!
《ファントム・ブラスター・ドラゴン》のスキルでソウルから《ブラスター・ダーク》と、手札からコールした《黒の賢者 カロン》で山札から《アイジスメア・ドラゴン》をコールし、戦線を整えた。

初期「ヴァンガード」から登場している切り札が、“伝説の英雄と邂逅する特別なカード”として収録!長年のファンにはお馴染みの存在だ。

カウンターブラストなしで味方2体を追加した羽戸選手は、そのままアタック!
パワーの低い《アイジスメア・ドラゴン》のラインはガードされたが、Vの《ファントム・ブラスター・ドラゴン》はクリティカル、ドローと立て続けにトリガーをめくり、えな選手のダメージはあっという間に5点となった。えな選手5vs羽戸選手1で、ターンを終了。

しかし先攻4ターン目、えな選手は“一気呵勢”状態となって一発逆転を狙う。
手札に抱えていた“G4”《ディアブロス “絶勝”ブルース》にライドし、ソウルの数をカウントし始める。

ブースターパック第4弾『覚醒する天輪』で、特に注目されている“G4”ユニット。Vでの連続アタックが可能で、最大4回のドライブチェックによる爆発力が魅力的。

まずは、ソウルチャージ1とソウルチャージのたびにパワーが上がる能力の《ブレインウォッシュ・スワラー》をコール。
さらに2枚をソウルチャージしながら味方を展開する《ディアブロスストライカー ライル》を追加。
そして、4枚のソウルチャージと味方の強化を行う《パンデモニウム・タクティクス》。
ダメ押しに、前列強化とヴァンガードのクリティカル上昇の《ディアブロスストライカー ブライアン》をコールし、反撃開始!

温存していた手札が、ここで火を噴く!7枚のソウルチャージと味方の能力で、《ブレインウォッシュ・スワラー》のパワーは58000まで上昇した!

圧倒的な爆発力を前に、羽戸選手は死力を尽くしてガードをする。
まずはパワーが低い(それでも43000)の《ライル》のアタックを手札2枚とインターセプトでガード!
続く《ブレインウォッシュ・スワラー》のアタックはノーガード、そしてここで値千金のドロートリガーを引き当てる!
クリティカル2になったVの《“絶勝”ブルース》のアタックはノーガード。
えな選手のトリプルドライブは、

1枚目、ノートリガー!

2枚目、ヒールトリガー!パワー+10000はヴァンガードへ!

そして3枚目……オーバートリガー!Vのクリティカルが上昇し、パワー+1億もヴァンガードへ!

〈ダークステイツ〉のオーバートリガー。ファイトを通してVの攻撃力が上がる独自の効果を備えている。

ここで、ガードの計算を大きく狂わされた羽戸選手。
《“絶勝”ブルース》の能力でスタンドした前列のアタックは、完全ガード2枚を使って守り切るが、ダメージは一気に逆転。えな選手4vs羽戸選手5となった。

追い込まれた羽戸選手だったが、ここで《ファントム・ブラスター・ドラゴン》のペルソナライド!
ソウルから《ファントム・ブラスター・ドラゴン》をコールし、さらに能力でえな選手の前列リアガードを除去しながら、Vのパワーとクリティカルを上昇!
再度の逆転を狙う!
まずはVの強力なアタックだが、えな選手は冷静に完全ガードで守る。
続くリアガードのアタックはノーガード、続くアタックはしっかりガードし、えな選手はダメージ5で守り切る。

えな選手はターンを開始すると、落ち着いて自身のソウルと山札の数、そして羽戸選手が今まで使った完全ガードの数を確認する。
序盤のアタッカー、そして直前ターンでガードに使った2枚が確認でき、完全ガードの残りは1枚。
勝利と、万が一の際のフォローまでシミュレーションしたのだろう、えな選手はじっくり考えたのち、動いた。
後列にいた《ディアブロス “悪童”スティーブ》と《ブライアン》を前列に移動し、再び《パンデモニウム・タクティクス》。
さらに後列にはトリガーユニットも展開し、羽戸選手の前列リアガードから倒していく。
そして、オーバートリガーで永続クリティカル2になった《“絶勝”ブルース》で、ヴァンガードにアタック。
羽戸選手はこれと、続く《“絶勝”ブルース》の追加アタックを守り切ることができなかった。トリガーを信じて、ノーガードを宣言する。

そしてダメージチェックは……完全ガードの《アイジスメア・ドラゴン》。

山札の残り3枚まで使いきる死闘の末、えな選手のブロック優勝が決まった!

(文=神田秀人)

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