『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第4回

『週刊ヴァンガードコラム』

第4回 『儀式(リチュアル)ができるまで』

みなさん、こんにちは!第4回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
今回は、トライアルデッキ「竜魔道の儀式」からついに登場となるシャドウパラディンのクラン能力、「儀式(リチュアル)」の開発エピソードについてお話ししたいと思います。
写真01
→トライアルデッキ 「竜魔道の儀式(りゅうまどうのぎしき)」の商品情報はこちら!
 
クラン固有の能力が登場し始めてから1年以上、最後の1つとなるシャドウパラディンのクラン能力。いつも以上に期待も課題もてんこ盛りです。列挙していきますと……

  • アニメ「アニメ「カードファイト!!ヴァンガードG NEXT」も始まり、ヴァンガードをはじめてもらいやすいタイミングなので、わかりやすく飲み込みやすい
  • シャドウパラディンのイメージに合ったもの
  • 使い手である東海林カズマ君と「ルアード」のイメージに合致している

このあたりが重要となりそうでした。
 
まずは最初の「わかりやすい」。このタイミングでは、これは特に大切です。もっと言えばわかりやすいだけに留まらず、シャドウパラディンをずっと使ってくれている方にも興味を持ってもらえる「わかりやすい上に奥深い」ものがベストです。
 
こういったクラン能力はいくつかの系統に分かれており、その中でも「わかりやすい」部類に入るのが条件に関する能力です。ブースター「天舞竜神」に収録されているクランなら、なるかみの「雷激」などがそうですね。
 
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特殊な挙動を伴う能力はどうしても複雑になりがちです。そして、複雑であれば奥深いかというと必ずしもそうではありません。ですので、今回はわかりやすい条件に関するものとなりました。
 
次は「シャドウパラディンらしさ」。ユナイテッドサンクチュアリには多くの騎士団がありますが、シャドウパラディンはその中でも異質な能力を持っています。
 
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共に並び戦う「仲間」をコールする他の騎士団と異なり、シャドウパラディンはその多くがグレード1以下の「配下」をコールし、それを犠牲にしてでも任務を遂行する影の騎士団。ならば、クラン能力もその犠牲を糧とするようなものがよさそうです。
 
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そして、カズマ君の分身であるルアードは、自らの体を竜へと作り変える秘術を研究する竜魔道士というイメージです。
 
であれば、序盤の行動が終盤への布石となり、かつ研究のように自分のカードや領域を使って何かを積み上げるもの。そしてシャドウパラディンのイメージや既存の動きに合うグレード1以下のコールと犠牲にかみ合ったもの。
 
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まず出来たのは「ドロップゾーンのグレード1以下が3枚以上」という能力でした。
 
しかしこれ、あまりにも簡単というか……トリガーユニットでガードするというごく普通のことをやっているだけでサラッと到達できてしまって、布石を打っているという感覚に乏しく、また達成感も小さいものでした。
 
そこで条件とするカードをグレード1のみとし、また達成すべき数字が変動できるようにしました。最初はとにかくわかりやすくということから、「竜魔道の儀式」と「天舞竜神」に登場する数字は「3」だけなので、達成は比較的容易です。
 
しかし今後、その数字が「5」や「7」となるとプレイングやデッキ構築にも少しずつ工夫が必要になってきます。もちろん、「3」であっても速いタイミングから達成するにはある程度意識しなければいけません。
 
これにより布石となる動きの重要性や条件を満たしたときの達成感が強まり、また前述の奥深さも十分に感じられるものとなりました。
 
動きは決まり、あとはこのクラン能力の「名前」です。
 
たくさんの案が挙がった中から能力の挙動、かっこよさとわかりやすさ、そしてそれを持つカードが騎士ではなく魔道士であることなどの要素を加味しつつで絞りこんでいき、最終的に世に生み出されたのが――
 
写真
 
――「儀式」です!
皆さんもぜひこの「儀式」、試してみてください!
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。
 
それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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