『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第23回

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第23回 『一夜の夢~奇術』

みなさん、こんにちは!第23回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
さて今回は、明日発売のキャラクターブースター第3弾「月夜のラミーラビリンス」から、《ペイルムーン》のカードを交えつつ、クラン能力「奇術(マギア)」の開発エピソードをご紹介していきたいと思います。
 
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キャラクターブースター第3弾「月夜のラミーラビリンス」の商品情報はこちら!
 
《ペイルムーン》は世界中をめぐり公演を行なっている魔道サーカスで、高度な技術や派手な演出で人気を博しているクランです。しかしそれはあくまで“表の顔”。冷徹な暗殺集団としての“裏の顔”を持つ恐ろしい集団なのです。
 
そんな《ペイルムーン》のクラン能力、「奇術」が初登場したのはカードファイト!! ヴァンガードG トライアルデッキ 第7弾「弧月の奇術師」およびブースターパック 第5弾「月煌竜牙」でのことです。
 
この「奇術」、前述の《ペイルムーン》が持つ表と裏2つの顔、一夜限りのイリュージョン、エンターテイメントとしての側面と、目的を遂行し幻のごとく去っていくという側面の両方をイメージして作られた能力です。
 
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《ペイルムーン》初のトライアルデッキであり「G」で初収録、さらに使い手は新キャラクターで物語のキーになる弓月ルーナちゃんとなれば、クラン能力はそれまでの動きを踏襲しつつ、新しさを感じるものである必要がありました。
 
さらに、できればルーナちゃんの分身である「ハリー」がオピニオンリーダーとして持てる内容であり、かつフレーバーに溢れているものがよいということになりました。もちろん、トリッキーな動きが特徴である《ペイルムーン》らしさも重要です。
 
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なかなかに全部盛りの課題ですが、その取っ掛かりとなったのがこのカード、「ピー・カー・ブー」でした。どこからともなく表れて、ターン終了時に消えていくという独自性の高い動きは、これ以上ないほどに《ペイルムーン》のフレーバーに満ちていました。
 
当時から同じくダークゾーン所属のソウル重要視クラン、《ダークイレギュラーズ》との違いとして“ダークイレギュラーズは量、ペイルムーンは質”という認識は広まっており、また事実そうなるようカードデザインを行っていました。
 
そうして完成したのが「奇術」です。フレーバー要素以外にも、《ペイルムーン》には「ソウルから登場した時」を持つユニットがたくさんおり、毎ターン出し入れすることで“質の良いソウル”をフル活用するという、今までの動きを踏襲しつつも新しい楽しさを見いだせるものになりました。
 
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「月夜のラミーラビリンス」では、「奇術」はさらにいろいろな側面に進化しています。ハリーの新たな姿である「仮面の幻術師 ハリー」は、3つの能力が独立して使用できるものでありつつも、それぞれが噛み合って動くようになっています。
 
特に超越を主軸として戦う「ハリー」では、ソウルからグレード3のカードを回収する能力は、大きく展開を助けてくれます。もちろん、攻めの超越コストに使用するだけでなく、完全ガードのコストや再ライドによるソウル補給など、その使い道は様々です。
 
また、少しずつ増えている「ラブリー・コンパニオン」や「愛満ちる幻道化 マーヤ」のような、相手のターンに使える「奇術」ユニットとも意外なコンビネーションを見せてくれるかもしれません。
 
彼の「奇術」によるコールは、コストにソウルを使う形になったのが大きな変更点。自身が1枚供給してくれるので取り回しもよく、「奇術」を持つユニットにはソウルチャージをしてくれるユニットも多いため、カウンターブラストを他のユニット……例えば自身の可能性である「仮面の神竜使い ハリー」に思いっきり使うことができます。
 
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「奇術」の挙動そのものの選択肢を広げるユニットも登場しています。先駆を持ち、ファーストヴァンガードとしても選択できる「プレジャー・キャスター」は、ターンの終了時に「奇術」持ちのユニットを手札に戻すことができるユニットです。
 
ターン終了時に「奇術」で呼び出されたユニットがソウルへ戻る前に使うことで、手札に来てほしいカードを回収できます。また彼女自身もハリーがいればソウルから自発的に表れることができ、さらにトリッキーな選択が可能になっています。
 
スローイング・ベア」も“奇術で帰らない”という選択肢が取れるユニークなユニットで、ちょっとガード値が足りなそうな時や相手のターン中に頭数が必要な時などに助けてくれるかもしれません。
 
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そして極めつけの1枚がGR「異界の大奇術 フェアフィールド」!なかなか類を見ないリアガードへのパワー+10000とクリティカルの増加、さらにはソウルを大量に使うことで際限なく強化する能力さえ与えてしまいます。
 
今にも恐ろしいモノが出てきそうなイラストも相まって、もはや本人より呼び出したユニットの方が強いのでは!?というイメージすら抱いてしまいますね。
 
今回ご紹介したユニットたち以外にも、「月夜のラミーラビリンス」には妖しくも魅力的な《ペイルムーン》ならではのユニットがたくさん収録されています。ぜひ手に取ってみてください!
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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