『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第24回

『週刊ヴァンガードコラム』

第24回 『お化けの……』

みなさん、こんにちは!第24回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
今回は、好評発売中のキャラクターブースター第3弾「月夜のラミーラビリンス」から、《グランブルー》の【お化け】のユニットたちの開発エピソードをご紹介していきたいと思います。
 
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キャラクターブースター第3弾「月夜のラミーラビリンス」の商品情報はこちら!
 
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この2枚…といいますか【バトルシスター】と【お化け】には共通点があります。さて、それはいったい何でしょうか。「両方ともかわいい!」違いま……せんが、そっちではありません。
 
【バトルシスター】と【お化け】、どちらも《オラクルシンクタンク》と《グランブルー》の最初期から収録されていました。それ以降も新しい弾が出るたびに少しずつ仲間が増えていき、あとからオピニオンリーダーとなるカードを登場させることにより、デッキ構築可能になったグループなのです。
 
【バトルシスター】は、前回のキャラクターブースター2弾、「俺達!!!トリニティドラゴン」で「エキサイトバトルシスター みろわーる」と「バトルシスター まどれーぬ」により、【バトルシスター】のグループで、ストライドして戦うデッキ構築が可能になりました。
 
既存のものも大事ですが、構築の選択肢を広げることは、とても重要なことです。、《グランブルー》にも【バトルシスター】同様、なにかもう一つデッキ構築可能なグループを作るということになりました。
 
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その際、ビジュアル面でも住み分けや統一ができているとより効果的ということで白羽の矢が立ったのが【お化け】。《グランブルー》には恐ろしいスケルトンドラゴンやゾンビ、妖艶なヴァンパイアやバンシーがいましたから、かわいい系統はよさそうということで決定に。
 
しかし、ここでちょっと問題がありました。【お化け】たちはいろんな意味でかわいい存在であることを徹底しすぎており、高グレードのユニットが殆どいませんでした。
 
このままデッキを組めるほどの量、各グレードにたくさん【お化け】を収録してしまうと、その弾の《グランブルー》はコミカルな【お化け】たちに物量で支配され、《グランブルー》のイメージが崩れてしまいかねません。
 
かわいい【お化け】たちのデッキは楽しそうですが、《グランブルー》のイメージをよくわからない状態にしてまで実行するのはやりすぎです。そこで数弾に分けて布石を打っておこうということになりました。「お化けのふれでぃ」、「お化けのかーる」もその一環です。
 
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そんなこんなで【バトルシスター】から幾星霜、ついに「月夜のラミーラビリンス」で彼らの野望が(本人たちがどれくらい大志を抱いていたのかは謎ですが)叶う日が来ました。
 
せっかく新たなデッキとして立ち上げるのですから、動きもユニークにしたいものです。そこで、お化けたちはみな気まぐれで楽しげなことに目がないという共通項を活かし、微妙にコントロールの効かない、すこし変わった効果を多く持たせました。
 
ふぁびあん」は「かーる」と同様、いつ山札から出てくるかわかりません。でもその際にちょっとお願いすればドロップゾーンから出てきてくれます。「へすけす」に至ってはやる気を出したかと思いきや酔っぱらって寝てしまいます。
 
こんな連中を、いったい誰がまとめているんでしょうか。正直よくわかりません。またゲームのビジュアル的にも、なんだか丸っこい奴らが好き勝手やってるばっかりで見た目の差も欲しいところでした。そこで更なる変化球として登場したのが――
 
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――お化けたちを統べる存在である(と思われる)デーモンのネクロマンサー、「お化けのリーダー でめとりあ」です!
 
お化けたちはもちろん全員〈ゴースト〉なので、〈デーモン〉というだけで目立ちますし、もうそれだけでエライような気がします。なんだかわからないけどエライ気がするから、お化けたちも彼女についてくるのでしょう。
 
その能力もお化けたちと同様、トリッキーで気まぐれですが、侮れないものを持っています。ドロップゾーンがあればあるほど強くなる《グランブルー》の中でも、(うまくいけば)最高峰の枚数を確保でき、そのうえで、有用なお化けを手札に加えられるのは強みです。
 
コストのソウルブラストも、ひと悶着ありました。「お化けを含むカード」の方が統一感はあったのですが……「おまじないするバンシー」を見るに、バンシーとお化けたちは近い存在で仲もよさそうだったため、〈ゴースト〉となりました。(「荒海のバンシー」も入れてあげたいですしね)
 
さらに彼女のコール能力は、一つの疑問を解決してくれています。「お化けのこーでぃ」は「お化け」じゃないユニットがやられるとお化けになること教えてくれましたが、「お化け」がやられたらどうなるのかは謎のままでした。《グランブルー》ではお化けがやられると……ちょっとちっちゃいお化けが出てくるのです!
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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