『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第27回

『週刊ヴァンガードコラム』

第27回 『The Blaster “Aichi Sendou”② パワーの値とキャラクター』

みなさん、こんにちは!第27回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
さて今週も引き続き、レジェンドデッキ第三弾「The Blaster “Aichi Sendou”」に収録されているユニットたちを、その開発エピソードとともにご紹介していきたいと思います。
 
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レジェンドデッキ 「The Blaster “Aichi Sendou”」の商品情報はこちら!
 
今回は、レジェンドデッキをサポートする仲間たちの能力と、“数字”についてお話しいたしましょう。
 
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前回ご紹介した「マロン」や「ういんがる」たちは別格として、レジェンドデッキに収録するべきユニットの候補として挙がったのがこの二人、「忠義の騎士 ベディヴィア」と「友誼の騎士 ケイ」でした。
 
ベディヴィアとケイは、特に何かお互いに相乗効果を発揮するユニットではありません。しかしそのシンプルかつ強力に「ブラスター」を支える能力、そして一句違わず同じテキストを持っていることは、二人がコンビで戦っているというイメージを強く後押ししてくれていました。
 
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新たな姿となった二人は、そのコンビネーションをさらに色濃くしての再登場となりました。どちらから先にコールしても合計パワーは21000となり、必要に応じたコストを確保しつつ強力なアタックを繰り出すことができます。
 
企画当初、彼らの能力は「同ラインの相方に+5000&コスト回復」の方がわかりやすいのではという意見もありました。確かにそうです。しかしその能力では、結果的に起こることが同じであっても、それは「ベディヴィアとケイ」からは遠くなっていると感じました。
 
その違和感はどこから来ていたのでしょうか。それは以前の彼らの持つ能力から来るものでした。彼らの持っていた「パワー9000(ないし7000)、アタックすると+3000」は強力かつ扱いやすく、後発のユニットたちの多くがこの能力を踏襲しています。
 
いわば彼らはそういったユニットたちの先導者なのですから、新たな姿となっても「パワー9000(ないし7000)、アタックすると+3000」を持っているべきだったのです。
 
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ブラスター・ブレードを慕う仲間たちの中でも、特に印象的なユニットが彼女、「トランぺッター」です。なにせ彼女は起源たるトライアルデッキ、「聖域の光剣士」に収録されているファーストヴァンガードであり、アイチ君ももちろん使用していました。
 
また彼女は《ロイヤルパラディン》でグレード2となった時、ブラスター・ブレードをコールする能力を得ていました。そのため、新たな姿となる彼女がコール能力を持つのはもう必然と言ってもいい状況でした。
 
デッキ全体の調和と、前回のコラムでお話しした要素から、彼女はマロンと共にどんなユニットでもコールできる能力となりましたが、それだけではちょっと足りませんでした。せっかくスペリオルコールするのですから、もっと彼女たちの能力でコールする意味が欲しいところです。
 
「ブラスター・ブレード」はパワー9000なので、9000が一人でアタックでき、かつ「ブラスター・ブレード・エクシード」の11000が「マロン」や「ういんがる」の7000にブーストされることで1つ上のアタックができるようになる意味のある数字……それがパワー+3000でした。
 
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レジェンドデッキに限らず、トライアルデッキにはグレード3のカードが複数種類収録されています。今回、ブラスター・ブレードがグレード3、アルフレッドがグレード4へと進化することが決まっていましたので、残るグレード3の枠をどうするかはいろいろと議論が起こりました。
 
もちろん、アイチ君が使ったカードであることは必須です。最終的に白羽の矢が立ったのは「バロミデス」。最初期のヴァンガードで一時代を築いたユニットですし、メインを「ブラスター・ブレード・エクシード」と「アルフレッド」に据える場合、リアガードでも有用な能力を持っていたバロミデスは適任でした。
 
彼も新たな姿となる際、新しいものでありながら手に取ってくれた方が懐かしさを感じてもらえるよう、以前の自身を踏襲した能力となりました。またレジェンドデッキ全体を見ても、21000のアタッカーは花形ユニットたちのお株を奪いすぎることなく独自性のある立ち位置になっているはずです。
 
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今回のトリを務めるのはこの人、ギャラティンです。ギャラティンはある意味非常に稀有な存在で、また同時にとても幸せなユニットでもあります。パワー10000で能力を持たないユニットの中でもギャラティンほどキャラクターが立ち、多くのファイターに愛されたユニットはなかなかいません。
 
あのマロンですらキャラクター性がある上で、アイチ君がライドするという要素があったのですから、これは本当にすごいことなんです。10000といえばギャラティン、ギャラティンといえば10000。その徹底っぷりも大変なもので、《ゴールドパラディン》時代でさえ、ギャラティンは10000でした。
 
つまり彼もまたベディヴィアたちと同じかそれ以上に、“数字”から来るイメージが重要でした。これを維持しつつ、進化したように感じられる“能力を持っている”、それが「新ギャラティン」のあるべき姿でした。
 
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前述の要素を踏まえて最終的に出来上がったのが、この「沈黙の勇士 ギャラティン」です。もちろん、カードに書かれているパワーは10000!かつグレード2のブラスター・ブレードがヴァンガードにいる時でもちゃんと10000になるような能力になっています。
 
もう一つ能力はブラスター・ブレードを護る力。グレード2の最も基本的な運用法であり、かつ重要な役割である攻防一体のインターセプトで特に光る能力です。派手さはありませんが、そんな堅実さも彼らしくてよいのではないでしょうか。そしてそのシールド値は、パワーアップして――
 
――10000です!
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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