『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第29回

『週刊ヴァンガードコラム』

第29回 『トリプルドライブ、ヒールトリガー、GB8』

みなさん、こんにちは!第29回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
さて今週は、もう開催まで一カ月を切っている「大ヴァンガ祭2017」で先行発売となります「ファイターズコレクション2017」について、その開発エピソードを収録されているユニットとともに紹介していきたいと思います。
 
写真01
「ファイターズコレクション2017」の商品情報はこちら!
 
写真
 
月日が経つのは早いもので、2014年11月に「超越」がヴァンガードの世界に顕現して、2年半近い時が流れました。様々なGユニットたちが現れ、「超越」の魅力とコンセプトの一つである“自分の望む未来を掴む”選択肢もどんどん広がってきました。
 
Gユニットに共通する強さは、状況に合わせて超越するカードを選択できること以外には何があるでしょうか。能力をいったん度外視して考えれば、まずは単純にヴァンガードのパワーが上乗せされることですが、これは「双闘」や「ブレイクライド」と比較しても、極端に大きくなるわけではありません。
 
見方次第では継続的なコストが必要なくずっと有効な「双闘」の方が、パワーについて優れている点もあるでしょう。「過剰なG3の有効活用法」という点では「ブレイクライド」も同じです。では、Gユニットがもたらしたインパクトは何だったのでしょうか。
 
それは、トリプルドライブです。手札の枚数自体は超越のコストで1枚捨てている分をドライブで補完している……と見れば同じと言えば同じですが、「1ドロー」と「1ドライブ」には大きな差があります。
 
ドライブチェックとダメージトリガー、そしてそれを想定したアタックとガードの攻防は、ヴァンガードの根幹と言ってもよい部分です。この部分を普遍的に強化(正確には大型化でしょうか)したことが、Gユニットが最もファイトに影響を与えた要素なのです。
 
写真
 
そして「超越」から1年半、新たな要素としてGゾーンに加わったGユニット、それがGガーディアンでした。Gガーディアンはヒールトリガーに新たな使い道を提供しつつ、守り札を増やす目的で開発されたシステムです。
 
これにより、例えば「引き直しで戻したのにまた引いた!」場合や「ドライブチェックででたけど回復は不発……」というヒールトリガーも“がっかり”から“アリ”なものになり、またGガーディアンはジェネレーションブレイクの早期達成という攻防一体の側面もあることから、より多彩なファイト展開が生まれました。
 
しかし、このヒールトリガーの強化と普遍的なトリプルドライブは、ある大きな課題をファイトに残しました。それは、攻め手を欠く展開の時にお互いドライブチェックでヒールトリガーがでると、ファイトが長期化してしまうということでした。
 
Gガーディアンは防御寄りながら前述の攻防一体要素があります。トリプルドライブはもちろん攻撃寄りですが、防御の側面もあります。超越のコストでシールドのないG3を捨て、それをドライブに変換しているわけですから、手札の枚数は同じでもシールドが確保しやすくなりますし、ヒールトリガーに巡り合える機会も劇的に増えます。
 
もちろん攻めの方にファイトが寄る展開の方が多いのですが、今回はこの長期戦を何とかしようということで「ファイターズコレクション2017」の企画がスタートしました。
 
写真
 
つまり、今回の「GB8」はどいつもこいつもかなり凄い出力を持っているわけで、その要素が色濃く出ているのが例えばこの「暴走凶鬼 ヘルハード・エイト」。
 
《スパイクブラザーズ》はあまり長期戦を重視しているクランではなく、むしろ一瞬の機にすべてを叩き込む“オールイン”が基本戦術です。しかし、ファイトには必ず相手がいますし、相手の戦術や偶発的な事態によってファイトが長期化することもあるでしょう。
 
また、それがどんなクランであっても、デッキ構築によってかなり長期戦戦術にシフトすることは容易なのです。例えばドロートリガーを多く採用するだけでも、ファイト展開は大きく変わってきます。
 
そういった意味でも、これら「GB8」のユニットたちは非常に扱いの難しい存在でした。単なる“長期化してしまったファイトのクローザー”ではカードとして深みが足りませんし、やりすぎると逆に“長期化ファイトの推奨”になってしまうのです。
 
各ユニットによって配分は違いますが、「とりあえず1枚入れておくとクローザーとして使える」と「専用デッキを組んでみたくなる」、この2つのバランスが肝でした。この「ヘルハード」は前述のとおり、“クローザー”としての要素が濃い1枚です。
 
写真
 
逆に「専用デッキを組んでみたくなる」の要素が濃いユニットが「次元ロボ総司令 アルティメットダイキング」。その出力も前代未聞というかもはや異次元、最大でクリティカル+5!ヴァンガードは6ダメージで決着するわけですから、そのやりすぎ感たるや尋常ではありません。
 
でも、この「ハードル高めでやりすぎ感満載」な効果こそが「専用デッキを組んでみたくなる」に対する最も真っ向勝負なやり方。見た瞬間に「だったらコマンダーローレルとイニグマン・カームを採用、ドローとリアガードの退却を重視した構築にして……」なんて考えちゃうのはファイターの“性”といってよいでしょう。(私やドクター・オーもそういうタイプです)
 
もちろん、“ロマン砲”だけではなく“クローザー”としての側面も持っています。実質的なコストが必要ないため、長期戦で疲弊していてもパワー+20000クリティカル+2程度(程度!?)なら容易です。ド派手なイメージから【次元ロボ】の名を冠していますが、【次元ロボ】専用ユニットでないのもそのためです。
 
「ファイターズコレクション2017」は他にも様々な「GB8」のユニットたちが収録されています。続報を楽しみにしていてくださいね!
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

↑ページのトップへ

中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

最新の記事はこちら

↑ページのトップへ

ページの先頭に戻る