『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第49回

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第49回 『遊星からの“根絶者”』

みなさん、こんにちは!第49回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
さて今回は、10月20日発売のクランブースター「混沌と救世の輪舞曲」から、《リンクジョーカー》に属するユニットたちの中でも特に異形の存在……“根絶者(デリーター)”についてお話しいたしましょう。
 
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“根絶者”と呼ばれるモノたちは、惑星クレイにとっての侵略者である《リンクジョーカー》に属してはいるものの、他の者たちとかけ離れた異様な体躯からも見て取れるとおり、その出自は大きく違っています。
 
宇宙を彷徨い、他の生命を飲み込む「遊星ブラント」。はるか昔、その星に取り込まれ、しかし順応し生き延び、異形の進化を遂げたモノたち……それが“根絶者”です。
 
彼らは他の《リンクジョーカー》ほど「呪縛」を得意としませんが、その代わりに恐ろしい能力を有しています。生命の存在そのものを断ち切る脅威の能力、「デリート」。その力は、惑星クレイに降り立った先導者とその分身との絆さえも断ち切ることができます。
 
味方の生命をも喰らいながら発動するこの「デリート」、ファイトでは「相手ヴァンガードを裏向きにし、表面のテキストを消し、パワーを0にする」という形で表現されています。
 
非常に凶悪なこの「デリート」、ちょっと複雑な側面も多いので、ここで軽くおさらいしておきましょう。その力を使う側に回るか、使われる側に回るかはファイターの皆さん次第ですが、どちらにせよ知っていることで脅威度も(どの方向かはさておき)大きく変わってくるはずです。
 
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まず挙動面ですが、前述のとおり相手のヴァンガードが裏向きになり、その表面に書かれているテキストすべてを失わせます。また、元々書かれていたパワーは0となります。
 
失われるテキストおよびパワーはテキストボックスに書かれていたもののみで、ユニット名やグレード、グレード固有の能力、クラン、種族、国家などは無くなりません。もし何らかの能力が相手ヴァンガードに「付与」されていた場合、その「付与されている能力」も失われないのです。
 
パワーについても同様で、強制的にすべて0にする訳ではありません。その後にパワーが増加したり、リアガードの能力やブースト、シールドなどによって強化されている分……つまり「元々のパワー」でない部分には影響しません。といっても、「クロスライド」等の“自身がもつ表面の永続強化”は能力と共に失われるのでご注意を。
 
また「呪縛」と同様カードは裏向きになりますが、バトルは問題なく行なうことができます。と言ってもパワーはほぼ0になっているでしょうから、攻めるも守るも、ままならない状態になっていることでしょう。
 
この「デリート状態」は相手のターン終了時に解除されます。また、新たなユニットにライドしなおしたり、超越が行われると、その登場したユニットは別のユニットですから、当然「デリート状態」ではありません。
 
また、超越が行なわれると元いたヴァンガードもデリート状態が解除されます。ただしこの際、「ストライドスキル」は発動しません!「ストライドスキル」を持つユニットたちからすれば、“根絶者”の脅威はかなりのものです。 
 
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「混沌と救世の輪舞曲」では、ついに……いえ、終に“根絶者”たちをもが超越の力を得てしまいました。それがこの「ストライドスキル」を持つグレード3、「黒闇の根絶者 グレイヱンド」、そして新たなグレード4「終末根絶者 アヲダヰヱン」です。
 
相手の「ストライドスキル」はままならなくなり、こちら側はやりたい放題。しかもグレイヱンドはそれ単体でもデリート能力を持っているため、超越しようがしまいが相当な脅威度を持っています。同胞を呼び寄せる能力も、互いを喰らい合う“根絶者”には非常に有用です。
 
グレード4のアヲダヰヱンに至っては空前の低コストでデリートを実行することができ、さらには味方の強化までをも可能としています。前列パワー+2000だけ聞くと「たったそれだけ?」と思いがちですがやられる側はたまったものではありません。
 
なぜなら、ヴァンガードのパワーは多くの場合0になっており、取るに足らない能力持ち4000パワーのトリガーユニットですら、かなりの脅威に跳ね上がるからです。しかもこの強化はGゾーンの表のアヲダヰヱンに応じて上がっていくため、2回目の降臨ともなれば、その名の通り終末をもたらすほどの破壊力となるでしょう。
 
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異形の同胞たちも、強烈かつ凶悪な能力を持つモノたちが登場しています。中でも凄まじいのがグレード2のアタッカー、「禁ずる根絶者 ザクヱラド」。
 
デリートに対抗する主な手段はもう一度ライドするか、超越することでした。ライドに対しては「威圧する根絶者 ヲクシズ」がある程度(と言うにはだいぶ強烈ですが)対処できていましたが、超越については「ストライドスキル」こそ使われないものの、“根絶者”側からすれば厄介なものでした。
 
しかしザクヱラドでその状況も変質します。恐ろしいことにこのユニット、攻撃がヒットすると次ターンの超越を“禁じて”しまうのです!デリートされ、超越もできないとなれば相手は必死でガードしてくるでしょう。ヒットしてもよし、ガードされてもこのアタックに不釣り合いなガーディアンを吐かせれば……仕事としては十分です。
 
さらに、“根絶者”は退却した守護者すらも脅威となって襲い掛かってきます。「撥ね退ける根絶者 ヰガルガ」はドロップゾーンからユニットを強化することができ、しかも複数枚あれば連続的に使うこともできます。1枚あたりのパワーは+4000ですが、前述のとおり、“根絶者”の+4000は他の+4000とは違うのです。
 
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極めつけの1枚が新たなGガーディアン、「非難する根絶者 ヰビヲルヱス」です。なんとこのユニット、自陣およびGゾーンの“根絶者”の分だけ、相手の前列ユニットすべてのパワーを“そのターン中”低下させてしまうのです!
 
さすがにコストはやや多く設定されているものの、デリートからどうにか逃れた相手の最後の連続アタックをヰビヲルヱスとヰガルガで刈り取り、「終末根絶者 アヲダヰヱン」とヰガルガの強化で“終わり”……これが新たな“根絶者”たちの必殺技になるかもしれませんね。
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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