『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第50回

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第50回 『呪縛!呪縛!……呪縛!』

みなさん、こんにちは!第50回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
さて今回も引き続き、10月20日発売のクランブースター「混沌と救世の輪舞曲」から《リンクジョーカー》に属するユニットたちをご紹介していきましょう!
 
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《リンクジョーカー》には出自を別とするいくつかの集団が存在します。前回ご紹介した、「遊星ブラント」を出自とする「根絶者(デリーター)」、惑星クレイを出自とする“次代のリンクジョーカー”、〈メサイア〉。
 
そして、“侵略者”として惑星クレイに襲来した、いわば《リンクジョーカー》の本流ともいえる集団が「星輝兵(スターベイダー)」です。「星輝兵」の先兵であり象徴的なユニット、それが「星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン」。彼はその昔……いえ、今もなお混沌と絶望を世界に与え続けています。
 
《リンクジョーカー》と言えばやはり「呪縛(ロック)」。この相手リアガードを完全に無力化してしまう恐ろしい能力は、前述のどの集団も使うことができますが、侵略者である「星輝兵」は特に相手を「呪縛」することに長けており、他の追随を許しません。
 
この絶望的な「呪縛」の前に、惑星クレイのユニットたちは「解呪(アンロック)」の力を使い、必死に抗ってきました。特に〈メサイア〉とその眷属たちは「解呪」を得意としており、「星輝兵」からすれば厄介極まりない存在でした。(カオスブレイカーはそれすらも愉悦としていたかもしれませんが)
 
しかし「混沌と救世の輪舞曲」以降は、その勢力図も変化するかもしれません。なぜなら……
 
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“道化”が新たな力を手に、現れたのです。
 
星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン」は今でも非常に強力なユニットであり、その力によって数多のユニットたちを「呪縛」してきました。ついにその彼が「ストライドスキル」を持って再登場します。
 
しかもこのスキル、「登場時」と「超越時」の二面で発動するものになっており、まさに鬼策、先手を取って相手を「呪縛」することさえ可能なのです。呪縛するユニットは相手が選ぶ形になっていますが、実際のところあまり関係ありません。
 
なぜなら、続くGユニットやリアガードたちのスキルにより、残ったユニットもおそらく残らず呪縛されてしまうからです。ではなぜ、回りくどく相手に選ばせるか?……それは、彼が“あえて希望を与え、それをさらなる絶望で塗り替える”ことを何よりの悦びとしているからです。
 
「ひとまず、最初の生贄はお前に選ばせてやろう。まぁ結局は全員呪縛させてもらうがな。フヒャハハハ!」
 
また、解呪された時に退却させる能力もより絶望をもたらすモノへと変貌しています。「いつでも」「任意のタイミングで」退却できるため、通常のターン終了時の解呪だけでなく、〈メサイア〉たちが得意とする“解呪”のギミックに「最も嫌なタイミングで」発動させることができるのです。
 
希望と絶望を操る邪悪な“道化”……「星輝兵 カオスブレイカー・クライシス」は間違いなく今後の注目ユニットの一角となるでしょう。
 
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もちろん、彼に呼応する【星輝兵】のGユニットも新たな、そして強力なものが登場します。それがこの「滅星輝兵 グルーボール・ドラゴン」です。
 
ソウルブラスト1というわずかなコストで、何なら全面を呪縛することさえできる超効率に加え、ジェネレーションブレイク3に到達していると相手の呪縛カードの枚数に応じて自軍全体を強化するという能力まで併せ持っています。
 
これまで【星輝兵】は明確な決定力を持ったGユニットは乏しかったのですが、これからは違います。特にグルーボール・ドラゴンは呪縛するスキルでGゾーンを1枚表にできる事を加味すれば、先攻してGガーディアンからの超越は驚異的な破壊力と言ってよいでしょう。
 
しかも新たなカオスブレイカーは、“登場時”にも呪縛が可能であり、この戦術にも完璧に噛み合っています。もちろん、この“先の先から呪縛”は「星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン」側でも可能であり、この両面受けは相当な脅威となるでしょう。
 
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「星輝兵」にはもう一体、途轍もないユニットがいます。カオスブレイカーが創り出した最悪の終末兵器……「星輝兵 “Ω” グレンディオス」です。
 
ブースターパック 第15弾「無限転生」でЯЯЯとしてヴァンガード初の「特殊勝利能力」を引っ提げて登場したこのユニットは、その特異なデッキも相まってカルトな人気を博し、その後も着実に進化を遂げてきました。
 
新たなGユニットである「滅星輝兵 “ø”グレンディオス」はその可能性をさらに凶悪に、強烈に押し広げているユニットです。【グレンディオス】の象徴ともいえる“傀儡化したリバースユニット”を糧として発動する呪縛は相当なもので、ダメージとドロップがあるかぎり防ぎようがありません。また、“Ω呪縛”としても高効率です。
 
そして何より恐ろしいのが、たった1行のもう一つのスキル。カウンターブラスト1で1ダメージと引き換えにカード1枚。「普通の」デッキならば取るに足らないレベルの能力ですが、【グレンディオス】は違います。
 
“Ω”グレンディオスの持つ「特殊勝利」はリミットブレイク5。ダメージ4点から死線となることが多いヴァンガードでは、4点から一気呵成に攻めるのが【グレンディオス】を打ち崩す定番の戦術“だった”のですが……これにより相当低リスクかつ自発的にリミットブレイク5に到達できるように“なった”のです。
 
今回ご紹介したユニット以外にも、恐ろしい能力を持つ者たちがまだまだ収録されています。カオスブレイカー、そして星輝兵たちが「混沌と救世の輪舞曲」で齎す絶望はいったいどれほどのものなのでしょうか……目が離せませんね。
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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