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第64回 『呪縛、デリート、解呪、そして……』

みなさん、こんにちは!第64回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
さて今回は、早くも明日1/19に発売となりますエクストラブースター「The GALAXY STAR GATE」に収録されているクランから、《リンクジョーカー》のユニットたちを、開発エピソードを交えつつ、ご紹介していきましょう。
 
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エクストラブースター「The GALAXY STAR GATE」の商品情報はこちら!
 
以前のコラムでもお話ししましたが、《リンクジョーカー》には大まかに分けて3つの「派閥」ともいえる集団があります。
 
外宇宙から惑星クレイを脅かす侵略者、邪悪なサイバードラゴン、カオスブレイカーに代表される【星輝兵】。
 
宇宙を彷徨う遊星ブラントに取り込まれ、異形の進化を遂げた存在、【根絶者】。
 
そして惑星クレイに適応し、新たな道を〈メサイア〉と共に歩むものたち。
 
もちろん「The GALAXY STAR GATE」では、クランブースター「救世と混沌の輪舞曲」ほど大規模ではありませんが、この三派閥すべてのカードがしっかり収録されています。では早速、そんなユニットたちを見ていきましょう。
 
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まずは【根絶者】の注目ユニットは新たなグレード4である「始源根絶者 ガヲヰヱルド」。
 
【根絶者】たちは《リンクジョーカー》の中でも攻撃面に特化しており、固有の能力「デリート」を駆使した一気呵成のアタックは、「救世と混沌の輪舞曲」の時点で既にきれいに決まれば捌ききるのはかなり困難なほどの破壊力を持っていました。
 
今回の「The GALAXY STAR GATE」で、この短期間で“攻撃面をさらに、もっと!”というのはGユニットの新鮮味も含め方向性としてもかなり無謀。また【根絶者】は、考えようによっては(有効かはさておき)Gユニット次第で《リンクジョーカー》の特徴である「呪縛」「解呪」「デリート」のすべての択を入れることができるという側面もあったのです。
 
そんなこんなで色々なコンセプトが協議され、最も好感触だったのが「下振れの穴を埋めつつ、劣勢時に択が大きくなる」能力でした。このコラムでよくお話しする要素ですが、Gユニットはカードの強さと同じかそれ以上に大事なのが「住み分け」。ガヲヰヱルドは正にそれを体現しています。
 
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【星輝兵】はもちろんこのユニット、「星輝兵 カオスブレイカー・クローズ」。
 
「救世と混沌の輪舞曲」で登場した「星輝兵 カオスブレイカー・クライシス」と同様、先の先も後の先も取れる「ストライドスキル」&「登場時」の能力を持っていますが、この新たな道化竜の真価はそちらの能力ではなく、“もう一つ”の能力です。
 
シンプルに超越のコストとして使った時にも動きますが(この能力がハーツカードの有無をチェックするのは「解決時」というのがミソです)、もっと恐ろしいのは前回のGR「滅星輝兵 カオスブレイカー・デリュージ」との組み合わせ。
 
事実上、手札コストをあたかも「追加効果」のように扱うことができますし、一気に合計3枚もの手札をもぎ取り呪縛するさまは、悪夢を通り越した絶望を相手に与えることができるでしょう。
 
昨今は解呪系の能力も多様化してきましたが、たとえ解呪できてもその分の手札が帰ってくるとは限りませんし、それこそ「では退却だ」という絶望を与える選択肢は、依然として彼の側にあるのですから。
 
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「コンセプト」という視点で見れば、以前のものを踏襲しつつ、最も大きく変化を遂げたのが〈メサイア〉たちです。新たなグレード3「イディアルエゴ・メサイア」も、どちらかというとリアガード向けの能力を持っての登場となりました。
 
「救世と混沌の輪舞曲」で先駆けて見られた、呪縛カードとして設置したり、「登場時&解呪時」に能力を発揮するユニットたちとの連携のほか、自身の呪縛とGユニットによる解呪を駆使し、さらにいろいろな角度から連続アタックを仕掛けることが可能になっています。
 
またなんなら山札から呪縛カードを生成するスキルは先攻グレード3のタイミングでも使用可能なので、手札に超越のコストが確保できている状態であれば先手を打って“布石”として使うのも面白い選択肢かもしれません。
 
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そしておそらく、今回収録の「スターゲート」に属するクランたちの中で、最も〈ゼロスドラゴン〉の恩恵を受けやすいクランが《リンクジョーカー》といっても過言ではないでしょう。
 
「星葬のゼロスドラゴン スターク」は単体でも高い破壊力を持っており、それこそカウンターブラストと究極超越のコストさえ工面できればほとんど盤面状況に関係なく一定の(と言うには膨大ですが)プレッシャーを与えることができるのが最大の特徴です。
 
昔は攻め手に乏しかった《リンクジョーカー》も今ではかなりの攻撃力を持ち、どの派閥であっても「100点の盤面」であれば、大抵の場合はスタークよりも固有の切り札を使った方がリスクも小さいですしおそらく破壊力も上を行くでしょう。
 
しかし、そううまくいかないのがヴァンガード。特に自分が《リンクジョーカー》のような干渉系のクランを使っていると、相手もこちらに干渉してきた時のことを考えるのは当然の思考というものです。
 
たとえ全面「Ω呪縛」されていようが、ずーっとヴァンガードが「デリート」されていようが、「チャンスがある」というのはとにかく魅力であり、Gユニットの「住み分け」の究極系でもあります。まあ、これはそのまま相手にも言えるあたり、《リンクジョーカー》は本当に業の深いクランです……またそこが、魅力の一つですけれど。
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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