『週刊ヴァンガードコラム』バックナンバー 第72回

『週刊ヴァンガードコラム』

第72回 『夢の結晶』

みなさん、こんにちは!第72回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
さて今回も引き続き、今月3/30に発売となりますクランブースター「歌姫の祝祭(フェスタ)」から、収録されている歌姫の面々を、その開発エピソードを交えつつご紹介したいと思います。
 
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クランブースター第7弾 「歌姫の祝祭(うたひめのフェスタ)」の商品情報はこちら!
 
《バミューダ△》。惑星クレイでその名を知らぬものなどいない大人気のクラン。ここで活動するマーメイドアイドルは正に百花繚乱、魅力溢れる歌姫たちが綺羅星のごとく輝いています。
 
期待の新人、数々の伝説を残す偉大な先駆者、寡黙な超実力派……彼女たちは様々な方面でそれぞれ活躍していますが、おそらくはどの歌姫もきっと、華々しいデビューを飾ったことでしょう。
 
今回ご紹介する歌姫は、他の歌姫たちとは少し違った経歴を持っています。
 
彼女は最初、ともすれば見落としてしまいそうな、小さく光る候補生の一人でした。しかし、本人の持つとびきりの魅力で、皆に愛されつつ地道に夢への階段をのぼり努力を重ね、ついには光星となったのです。
 
彼女の名は――
 
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――シズク!
 
《バミューダ△》最初のエクストラブースター「歌姫の饗宴」で登場した彼女は、他のスーパーアイドルたちに憧れ、スーパーアイドルになるべく努力する「候補生」。これといってインパクトのある誕生ではありませんでした。
 
しかし“こちら側”のヴァンガードでは、目ざといファイター達がその有用さをしっかりと評価しました。そして、完全同系のみならず派生系も含めれば、彼女はとてつもない量のいわば“後輩”たちを生み出したのです。
 
「ものすごく強い」ユニットは幾らもいます。しかし実際のところ、「ものすごく強い」ユニットではこんなことは起こりません。「ものすごく良い」ユニットだからこそ起こることです。現に7年の月日が経った今でも、彼女の派生系ユニットは“いっそこっちでは?”とデッキの候補に挙がることもあるほどです。
 
きっと彼女がいなかったら、ヴァンガードのファイト展開はまるっきり違うものになっていたかも……というのはさすがに持ち上げ過ぎかもしれませんが、とにかく、彼女はそれくらいの影響をヴァンガードファイトに与えたユニットの一人なのです。(でも私が今から作り直すなら、もうちょっと“当たる”ようにしてあげたかな、とは思います)
 
そんな彼女は、夏のPRカードをステップにしてさらに人気を集め、ついにスポットライトを浴びる日が来ました。それが「歌姫の学園」。
 
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誰がどう見てもこれは“シズク”だとイメージできる能力を引っ提げ、初々しい制服姿で再登場。キャラクター性と強さを兼ね備えた「とびきりの新入生 シズク」は瞬く間に定番となり、新たな《バミューダ△》を支えるユニットとなりました。
 
彼女の入学と共に“こちら側”ではなんと彼女視点でのコミカライズまで始まってしまうほどの「とびきり」っぷり。それくらい、彼女は惑星Eからの強い運命力を受け取って“大切に育まれた”存在と言っても過言ではないでしょう。
 
実は彼女が「歌姫の学園」での新能力【♪♪(ハーモニー)】を持っているのは訳があります。この時点で新能力【♪♪】はまだ未知数。しかし彼女が持っていてくれれば、いい意味での既視感が生まれ、きっと過去と未来の架け橋になってくれるはず。【♪♪】も、彼女の影響力とキャラクター性にあやかってスタートしていたのです。
 
そして次のステップは……まさかの特別仕様、バミュフェス♪♪入賞 PRカード&グッズセット 「夢への階段 シズク」!これには私もびっくりしました。きっと皆さんも同じでしょう。しかし彼女の快進撃は、まだこれだけではとどまりません。
 
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2017/7/7に登場した「七色の歌姫」では、ついに、ついに……これまで彼女が追い求めてきたグレード3、スーパーアイドルとしてデビューを果たしたのです!
 
普段、企画段階でどんなユニットを収録するかを絞り込むときに、私から何か要望を言うことはほとんどありません。ですが、この時ばっかりは「グレード3に成長したシズクをつくりましょう!」とかなり頼み込みました。
 
皆に支えられ、愛されてここまで来た彼女なら、次は絶対グレード3が待ち望まれているはずです。結局その認識は開発陣皆同じで、あっさり「行きましょう」と結論が出ました。
 
であればこれまでを踏襲しつつ、独自のデッキが組めそう&RRRに相応しい何かインパクトがあり、かつ今までにない将来性がイメージできるものを!ということに。しかし枠は1枚。制作のハードルが猛烈に高くなり、ちょっと自爆してしまいましたがすでに腹案はありましたし、そのテストプレイも経過はこれまでにないほど順調でした。
 
なぜグレード3たった1枠しかないのにテストプレイが順調だったかは明白です。ランダム性が低く影響力の大きいGユニットならまだしも、グレード3は引けないパターンも多く、なかなか安定しないことも多々あるのです。
 
しかし我々が何かするまでもなく、彼女は自らのグレード3、つまりこの望まれていた未来を、自身の力で探し出し掴み取ることが……7年前から既にできていたのです。
 
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そして、小さな候補生からはじまり、惑星内外のファンによって支えられ歩んできた彼女は……ついに「戴冠式」まで辿り着きました。
 
「栄光が待つ未来 シズク」。もちろん彼女の能力は、全力で“シズク”。今までの彼女があったからこそのものとなっています。
 
《バミューダ△》。惑星クレイでその名を知らぬものなどいない大人気のクラン。ここで活動するマーメイドアイドルは正に百花繚乱、魅力溢れる歌姫たちが綺羅星のごとく輝いていますが……彼女ほど“未来を掴み取った”存在は、おそらくいないでしょう。
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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