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第33回 『禁忌の邪眼~「支配」』

みなさん、こんにちは!第33回となりました、週刊ヴァンガードコラムを書かせていただいております、有限会社遊宝洞・制作の中尾でございます。今週もよろしくお願いします。
 
ついに「邪眼の支配者」で登場となる禁忌の新能力、「支配」を持つカードが公開されました。そこで今回は、この「支配」の開発エピソードを、支配を持つユニットと共にご紹介いたしましょう。
 
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「邪眼の支配者」の商品情報はこちら!
 
「支配」は、軍事国家ドラゴンエンパイアのクラン《ぬばたま》の中でも、異端の一族として扱われてきたとある一派に与えられた禁忌の能力です。その内容をかいつまんで表現しますと、「相手のユニットを支配し、自分のユニットであるかのように相手にアタックする」というものになります。
 
チーム・ディフライダーのリーダーであり、物語の鍵を握るキャラクターの一人でもある鬼丸カズミ。彼の使用するクランが《ぬばたま》であることは決まっていました。そしてもちろん、彼の「中」にいるユニットの存在も。
 
彼の「中」にいるユニットこそ不知火一派の頭領、「忍竜 シラヌイ」……いえ、禁忌の邪眼とその力によって、新たな姿となった「魔忍竜 シラヌイ“朧”」です。
 
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《ぬばたま》を推そう!ということは前もって計画されていたことでした。そして今までの《ぬばたま》にあった「相手の手札のカードをスキルで削る能力」だけではなく、もう1つ新しくかつ魅力的な能力を増やすことになりました。
 
スキルでフィールドの状態を「夜」に変えて、「夜」だと強くなるのはどうか、とか、相手のスキルをコピーするのはどうか、とか、やるからにはこれまでの《ぬばたま》が持つ、強力な相手の手札を奪う忍術や「残影」に負けないほどのインパクトのあるものは何かという議論とテストプレイが行われた結果……、相手のユニットのコントロールを奪う「支配」という能力が完成しました。
 
また、どうしても複雑になりやすいコントロール奪取能力を作る上で、さらに議論の焦点となったのは、ルール面での処理はもちろんですが、相手のユニットのコントロールを奪うという衝撃的な能力を楽しめるものにしつつ、ファイター同士での無用なトラブルをなるべく回避できるようなテキストと実際の挙動の落としどころでした。
 
そうして最終的にできた形が、永久に「支配」し続けるのではなく、“一連のアタックの間だけ「支配」し、相手にアタックさせる”というものでした。永遠に奪われ続けるわけではないなら、精神的にもルール挙動も(比較的)楽です。
 
この「支配」であれば、アタック宣言をするのは「支配した側」、相手のカードを動かすのは「カードの持ち主」となっています。「支配」しても永久ではなく、支配された側に移動したりもしませんから、例えばファイトが終わった後に「あっ、返すの忘れてた!」というトラブルもなくなります。
 
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こうして支配を肉付けしていく中で、次の焦点となったのはもちろん、“支配したユニットの能力を使ってよいのか?”という部分でした。こちらについては(後のルール整備がどれだけ大変であっても)、“「支配」をやると決まったら絶対にやる”と初めから考えていました。
 
なぜですかって?
 
いや、だって“それ”ができない「支配(ただし能力は不可)」なんて名前負けの片手落ちじゃないですか!
 
もちろん、「支配」が「アタックする」とセットになった時点で、ありとあらゆる能力を「支配」できるわけではありませんが、複雑さや食らう側の負担を考えればこの辺りが妥当なところです。
 
それでもまだまだ「支配」は複雑な能力であることは否めません。特設ページもありますので、興味のある方は是非そちらもチェックしてみてください。
 
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そしてもちろん、「支配」を持つユニットは「邪眼の支配者」だけにはとどまりません!「鬼神降臨」にもすさまじいユニットが存在しています。それがこの「閻魔忍鬼 ムジンロード」。
 
その能力は驚愕、いきなりフルスロットルの「多面支配」!先ほど紹介したシラヌイをはじめとして、無理矢理相手の盤面を揃えさせるユニットもいますので、決まった時の破壊力は抜群です。(ルール整備もフルスロットルで大変でしたが……)
 
また彼は、相手だけではなく自軍の強化もできてしまう所も注目です。自分のユニットに「支配」の能力で攻撃させることはできませんが、パワー+4000は問題なく与えられます。Gガーディアンや「Gゾーンを1枚表にする」を持つユニットで相手のリアガードより多く表のGゾーンがある状態でもまったく無駄にならないのです。
 
これからどんどん「支配」と《ぬばたま》、そして「鬼神降臨」の情報が公開されていきますので、「今日のカード」や「週刊ヴァンガ情報局」もぜひお見逃しなく!
 
さてさて、週刊ヴァンガードコラム、いかがだったでしょうか?お楽しみいただけたならばうれしい限りです。
よろしければ、是非Twitterなどで感想やご意見などをつぶやいていただけますと幸いです。

それでは、また来週。
スタンドアップ・ヴァンガード!

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中尾 宗也なかお むねなり

さまざまなゲームのシステムデザインを手掛ける、有限会社遊宝洞にて制作を担当。『カードファイト!! ヴァンガード』では、カードデザイン・開発に携わる。

遊宝洞 中尾氏

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